MSI P45 Platinum + Intel Q9450 でクアッド常用機を作る


  2008年6月、Intelの新チップセット「P45」を搭載したマザーボードが続々と発表され、販売が開始されました。先陣を切って市場に製品を導入したのはMSIなどで、最近オーバークロッカーからは常に注目の的となっているASUSTeKはやや遅れてP5Qシリーズが発表される見込みです。今回、私は諸事情もあって、1ヶ月間、サイトの更新をお休みせざるを得ない状況にありました。その1ヶ月の間に、PC市場ではさまざまな動きがありました。たとえばTEAM JAPANの優勝(おめでとう御座います!)や、フォックスコーンから「オラわくわくしてきたZO!」的なOC向けマザーが日本に上陸したり、EeePCの第2世代が発表されたり、マンチェスター・ユナイテッドが欧州制覇を果たしたり。さまざまな動きがある中で、休養期間に私はあるお買い物をしました。前回(5月中旬)にE7200でメインPCを久しぶりに買い換えたのですが、今回はそれに飽き足らず、さらに欲を出してみました。今回購入したのは、メインでは初導入となるクアッド・コアのCPU、新発売されたばかりのP45チップセット搭載マザーボードを中心とした、以下の構成です。

◆製品名をクリックすると詳細をご覧いただけます◆

CPU
Intel Core 2 Quad Processor Q9450
周波数:2.66GHz、 内部倍率:8倍、 FSB:1333MT/s、 TDP:95W、 Socket:LGA775、 Quad-Core
http://digitalskin.web.fc2.com/CPU/intel_Core2_Quad.html#Yorkfield
CPU Cooler
SCYTHE SCZP-1000 ZIPANG
ヒートシンク:145*148*112mm クーラー:139*139*25mm
搭載ファン回転数:1000rpm±10% ノイズ:21.0dBA 風量:51.82CHF
重量:815g RoHS対応、UPHC対応、ワイドレンジRPM設計
http://www.scythe.co.jp/cooler/zipang.html
Mother Board
MSI P45 Platinum
Intel P45 + ICH10R、DDR21600(OC)、PCI Express x16(Gen.2.0準拠)
http://www.msi-computer.co.jp/products/MB/P45_Platinum.html
Main Memory
OCZ Technology OCZ2N1066SR1G
DDR2-1066、 EPP:5-5-5-15、 1GB×2(Dual-Channel Kit)、 Unbuffered、 2.1-2.3V 
http://www.ocztechnology.com/products/memory/ocz_ddr2_pc2_8500_sli_ready_edition
Video Card
ASUSTeK EN8600GT SILENT/HTDP/512M
GeForce 8600 GT、 ファンレス、 DDR3 512MB、
http://www.asus.co.jp/products.aspx?modelmenu=1&model=1700&l1=2&l2=6&l3=514&l4=0
Hard Disc Drive
Western Digital WD740ADFD
SATA、 74GB、 1.5Gb/s、 16MB Cache、 10000RPM
http://www.westerndigital.com/jp/products/products.asp?driveid=244
Power Supply
Zippy-560W HU2
560W、 5V:22A、 12V:40A、 -12V:0.8A、 3.3V:22A、 5VSB:3.5A
http://www.mvk-rio.com/zippyhu2.html
Case
OS Microsoft Windows XP Professional DSP版(SP2)
Optical Drive
LG電子 GH20NS10 BK
スーパーマルチドライブ、 SATA接続
http://jp.lge.com/prodmodeldetail.do?actType=search&...
Others アイネックス AS-05 ※シルバーグリス
Wireless Optical Desktop Pro ※キーボードマウスセット

とまあ、即納可能(休暇の都合上即納が好ましかった為)な商品を選んだ結果、以上のようになりました。なんとも中途半端というか・・・、本当はE8400を選ぶ予定でしたが、メインではデュアルコアを使用ていますので、気分的に無駄に高いクアッドコアを選びました。クレジットでも良かったのですが、スカっと一括払いで決済をしたかったので、C2Eを断念したのが心残りですが、もう注文してしまったものは仕方がないので、この構成でどこまで行けるか、といっても常用範囲ですので、熱がこもらず適度に安定して使える程度に調整したいと思います。後ほど、CPUクーラーはオリオスペックさんから、高性能なものを購入して取り替える予定です。

今回、パーツ選びのコンセプトにしたかったのは【気になるものを買う】です。正直、VGAとドライブは適当なのですが、とにかくこれまでQシリーズは一度も触れたことがなく、QXとしてのクアッドコアしか扱っていなかったので、クアッドコアを使用することを前提に、それなりに高性能なマザーとして、候補にしたのがOCWさん展示のP5Eでした。ただ、ハッと思い出したのがP45の存在、すぐさまOCWさんで検索するも取り扱いなし。続いてツクモでASUSを探すも取り寄せ表示。ナゼダ!そうか、まだ販売されていないのか。結局、即納可能であったMSIの中位?製品に決めました。価格は2.5万円で、それなりに価格と性能のバランスが取れていれば、文句はないでしょう。電源は、本来シルバーストーンのOPシリーズを中心に考えていたのですが、どこも入荷まち。続いて候補だったZIPPYのG2シリーズでしたが、こちらも在庫なし。結局、秋葉系なあの子が描かれたZIPPYのHU2シリーズを選びました。ケースには丈夫なスチールで静穏性と放熱性に優れた製品を中心に考えました。最初の候補だったのが、星野金属(ソルダム)でしたが、調べるまもなく却下。理由は簡単、高い。そこで次の候補としてAntecかSilverStoneの2万円以下のもの。最初はAntecの180でしたが、あえなく在庫切れ。では182ならと価格を見たら、微妙に高い2万円。結局、シンプルで評判の高いSOLOに決めました。今回の予算は20万円(一括)で、後ほどファンと静穏パーツやヒートシンクをオリオさんで購入する予算も含めています。

常用の目安としては、一応333MHzの8倍ですので、450MHz×8の3600MHz動作が最高ラインとして、予定では400*8の3.2GHz程度の常用を考えています。ここでふと思ったのが、倍率選び、失敗した・・・・・・!!!!!!!9倍なら!9倍ならFSB400で3.6G動作なのに!でもQ9650はまだ出ていないし、Q9550は高いし・・・仕方ありませんよね。Q9550買うならQX9650がお徳でしょうし。それでは、画像つきで組み立ての様子をご覧くださいませ。
 
1、パーツを確認する

  パーツが届いたら、真っ先に不足物がないか、明らかな外部的損傷がないかを確かめます。今回は12製品で、確認は大仕事ですが、一つ一つ開封して、異常がないか、不足がないかを確かめます。



上の画像はAntecのSOLOです。メッキ塗装が施され、取り付けは非常に簡単で便利さ、そして静音性を重視した構造をしています。実際目の前で見るのは幾度目かでありますが、価格の割にはしっかりとして良い物だと感じます。前面には12cmのファンを2機搭載することができます。後方には初期搭載で、回転数を3段階で調整できるファンが搭載されています。
 
2、仮組みして確認する

  異常が見つからなかったので、次は第1段階の仮組みです。絶縁体の安定した土台にマザーボードを置いて、最低限の構成だけで起動させます。問題がなければ、とりあえずBIOSをアップデートさせます。今回は新製品で、何らかの改善が加えられていますので、一応最新のものを事前にフロッピーに入れています。初期設定の前にBIOSをアップデートして、再起動します。



今回は特に異常もなかったので、次はBIOS画面に入って、【今回はOCメモリを用いたので、SPD値を主導で設定します】。一般的なメモリの場合は必要ないのですが、OCメモリは特別ですので、みなさんもOCメモリを購入したら、必ず設定しましょう。ちなみに、今回用いたメモリはSPDを持っていますが、それでも主導で入力しています。設定項目はM/Bのメモリ設定項目内にあるとおもいます。今回用いたのはMSIのP45 Premiumですので、画像は当製品のものになります。ちなみに、この段階は動作を確認するだけで、詳細設定などは後回しです。まずはメモリテストをやってしまいます。



余談ですが、上の画像の下の緑のLEDが光っている下に赤色の丸いボタンがあり、これはスイッチボタンになっています。マザーに搭載するのは非常に便利ですよね。そしてLEDの左にはリセットボタンが搭載されています。今回用いているファンレスの8600GTは軽く見ても60度以上は出ていました。これはオリオさんから静穏ファンを特別にあてがったほうがよさそうです。とりあえず、無事に動作することが確認できました、基本的な設定だけを行って、軽く機能を見渡しました。



そして再起動します。この時点で何らかの問題があるなら、ビープ音や設定を見(聞き)直してください。次はとても面倒な、メモリテストを行います。普通はOCWさんで購入し、メモリチェックオプションをセットにするのですが、今回は目的の商品が希望の納期ではなかったので、すべて同じ店舗にて別の商品を仕入れました。なので、メモリチェックは自分で行う必要があります。正直、非常に欝です。定番中の定番であるmemtest86+を使います。メモリは必ず1本ずつ、終了するまでやりましょう。といっても、馬鹿のように時間が掛かるので、#6程度までやれば、仮合格としておきましょう。今回は常用なので、徹底的に行いました。できる限りエラーは少なく、あまりにも多すぎる場合はメモリ不良の疑いがあります。 上の画像は2枚目のチェックの#7です。今のところErrorsは0で、一安心です。

長い長いMemtest86+が終わったら、いよいよ本組みです!
 
3、パーツをインストールする

  無事に仮組みと、起動チェックが終えてメモリチェックが終わったら、一応最低限は合格です。OCはさらにFSBを高めて、電圧などを盛った状態で負荷をかけますが、今回は後まわしにします。パーツの組み込みは、ケースにより微妙に順番が異なります。今回用いたSOLOは、電源を先にインストールすると作業スペースがなくなりますので、マウントをきつく設定してマザーボードからインストールします。ここでワンポイント。巨大クーラーをつける場合、可能なら電源は後回しにしましょう。少しでも余裕を持ったスペースを確保する、これも安全の秘訣です。マザーボードを固定したら、次は電源です。電源を慎重に取り付けて、この時点でCPUに電源を供給する左上の12Vプラグを接続しておきます。こうしておかないと、後ほどCPUクーラーが邪魔になるともいます。そしてCPUクーラーを取り付けますが、とても大きいので慎重に取り付けます。大きいクーラーでしたので、他のパーツに鑑賞しないか心配でしたが、何事もなく終えることができました。この後はメモリ、ビデオカードと取り付けます。次はドライブ関連ですが、SOLOは非常に工夫されておりまして、前面から取り付けるようにあ仕組みになっています。前面からマウンターを取り出し、シリコンリングにドライブを乗せて、下からネジでリングごと固定してしまうことで、ハードディスクなどの振動音の軽減を実現しています。ハードディスクライブ、フロッピーディスクドライブ、光学式ドライブを取り付けたら、次はバスケーブルを接続していきます。今回は少なく、フロッピーケーブルと、SATAケーブルのみでした。最後に、残った箇所に確実に電源プラグを差し込みます。下の画像は固定前のものですが、この後バンドで括って簡易化しました。これで、パーツのインストールは終了です。


 
4、OSをインストールする

OS設定なんて見飽きてると思うので、省略します。
 
5、OCの設定をする


OCで注意すべき点は3つ。FSB、電圧、そして発熱です。これらは高くなればすべて悪い方向に、低すぎても悪い方向になり、本当に適切な設定を施す必要があります。今回はあくまでも常用で、12時間高負荷をかけた上体でも安定して動作し続けていられる設定までに留めます。画像はクリックすると原寸表示できます。

【3216.3MHz】



3.2GHには無事に到達しました。発熱もさほど高くなく、デフォルトの電圧でも十分安定しています。3.2GHzを最低ラインと定めて、次は3.6GHzを目指します。

【3615.4MHz】


なんとか3.6Hzに到達しました。一度「なぜか」FSB:DRAMの比率を設定せず、OSに入れないという問題がありました。よくよく設定を見直して、とりあえず使える範囲ではあるようです。この時点でQ6600のひとつのラインでもあった3.6の壁は乗り越えられました。次は4.0GHzですが、さすがに無理そうなので・・。では最後に、3.6GHzのBIOS画面を載せておきましょう。



BIOSのトップメニューです。一般的なラインナップとなっています。MSI P45 Platinum のOC設定項目は「Cell Menu」に入る必要があります。「User Settings」には、最大5つまで、BIOS設定を保存することができます。



3.6GHzで動作させるためには、FSBを450に引き上げる必要があります。ここでオススメ!



OCTECHさんでは始めての方にもわかりやすい、OC設定一覧表を作成されています。Q9450は8倍率のCPUですので、3.6GHzで動作させるためにはFSBが450必要になります。次にメモリ対比はFSBが450の場合、1:1で900、5.:6で1080になります。今回用いたのはDDR2-1066のOCメモリですので、14程度ならマージンがあっても不自然ではないので、この設定を反映させます。



Clock GenがBIOSに初期導入されているのは便利ですが、今回は触れません。次にCPU Voltageを増やします。あくまでも【この条件でこの設定】ですので、他の設定でも共通になるとは限りません。すべて、自己責任でお願いしますね。以上がBIOS設定です。

結果的には、それなりのマージンがあることはわかりましたが、内部倍率の関係から、どうしてもクロックアップには限界があり、なれないMSIのP45マザーということもありますが、V-Coreが1.35Vで安定するのは、P45だからでしょうか。常用するにも3.6GHzは持て余しますので、3.2GHzに抑えますが、なかなか興味深いものだったと思います。


▲Top ■Buck toToppage
inserted by FC2 system